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【AI生成】アイリとりゃんシー 25/12/25 12:55 投稿
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とまよこりゃんシ
マリー
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ワンドが、静かに温かい。
火でも魔力でもない、
「見られている」感じの温度。

「……君、勝手に住み着くタイプ?」

そう言うと、
胸元の精霊が少しだけ姿勢を正した。

アイリは笑っている。
教本を抱えたまま、
全部知ってる人の顔で。

「ご主人さま、
 精霊は“取り憑く”んじゃなくて、
 選んで、居るんですよ」

「じゃあ、選ばれた理由、聞いていい?」

ワンドが、微かに鳴る。
音程はない。
でも、間だけは正確。

「……音に、触ってたから」

アイリが言う。
それは説明というより、翻訳だった。

「歌ったり、弾いたり、
 楽譜を文字じゃなくて、
 気配として扱ってたでしょう?」

りゃんシーは少しだけ目を逸らす。

「……食われたけどね。譜面」

「ええ。
 精霊は、美味しいところから覚えるんです」

ワンドが、嬉しそうに震えた。

「ねえ、君」

りゃんシーはワンドに話しかける。
アイリじゃない。
中にいる“誰か”に。

「僕はさ、
 上手く鳴らす気、あんまりないんだ」

沈黙。
でも、逃げない沈黙。

「間違えた音とか、
 遅れた歌とか、
 そういうのが残る方が好きで」

ワンドが、
一拍遅れて、淡く光る。

「……だって、
 ちゃんとしてる世界、
 もう十分あるでしょ」

アイリは小さく息を吸って、
にこっと笑った。

「契約、成立ですね」

「契約?」

「はい。
 “ちゃんとしなくていい側”の精霊契約」

ワンドの中で、
何かが居心地よさそうに丸くなる。

りゃんシーは肩をすくめた。

「じゃあよろしく。
 名前は……そのうち」

ワンドが、
今度はちゃんと、和音で鳴った。

精霊は喋らない。
でも、もう逃げない。

エリンでの生活に、
ひとつ、
音の居場所が増えた。

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