ETERNITY

ミレシアンの穏やかな夜のために


2024/12/10 18:27:34
こんにちは、エタニティ企画担当のミルクティーです。


今回は、BGMの話をしたいと思います。

まずは、ダンバートンの新しいBGMを聴きながら読んでください。
■ダンバートン昼のBGM ■ダンバートンの夜のBGM

マビノギには非常に多様な音源が提供されています。


新たな一歩を踏み出す街から始まり、エリンで出会う多くのNPCにも固有のテーマ曲があります。

ミレシアンなら誰でも心の中で一番好きなBGMがあると思います。

私の場合は、ガイレフの丘のテーマ曲「少年冒険家」です。

この曲を聴くたびに、初めてマビノギを始めて、サラブレッドに乗って走った瞬間のワクワク感が蘇ります。




20年以上前から今までサービスを続けてきた中で、BGMも少しずつ積み重ねてきたのですが、

その過程で一部の音源はオーケストラに編曲されたり、

「お婆さんが聞かせてくれた昔の話」のようなタイトル曲は様々なバージョンに編曲されています。

マビノギをコツコツとプレイしているミレシアンの方なら、昔のノスタルジックなMIDI音源から、

最近採用されたリアルな音源やオーケストラバージョンまでの変遷を同時に楽しむことができることをご存じだと思います。




私はマビノギのBGMが大好きです。かっこよくて、情緒的で、盛り上がる良い曲がたくさんあります。


しかし、新たにマビノギに触れた人にもそのような印象を与えることができるのかを考えてみました。

メインストリームをやると色々な地域を行き来することが多いのですが、

地域を移動する際に切り替わるBGMが全部製作時期が違うため、

その時代の痕跡が明確にあらわれて、違和感としてずっと気になっていました。




さらに、Unreal Engineに移行したことで、より感情的な体験を強化できる部分はないかと考えました。

盛り上がるような賑やかな街のBGMもいいですが、暗い夜になると、少し落ち着いた叙情的な雰囲気を残せないかな?

という思いもあり、空が徐々に藍色に染まっていくと同時に、BGMが自然に切り替わり、

落ち着いた雰囲気になるような機能をマビノギにも入れたいと思っていました。


社内で何度か議論を重ね、まずは夜バージョンを制作する際の方向性を明確にしました。

既存の感性を残しつつ、何よりも「夜」という独特の雰囲気を伝えることに重点を置くことにしました。

必要であれば、昼のバージョンで活用する原曲に比べてテンポを少し遅くしたり、

活気がありすぎる楽器の種類を一部変更したり、キーを下げるなどの選択肢も用意しました。




その後は、今度はどの地域に夜バージョンを適用するかを考えるようになりました。

冒頭でも書きましたが、マビノギには本当に…。とても… いろんな…たくさんの音源が用意されています。

一度にすべての地域の夜バージョンを制作することはできないので、まずはウルラ大陸の主要な街を一次に選抜しました。




そんな中…(とりあえずBGMを変えてみましょう!)
■ティルコネイルの昼間のBGM■ティルコネイルの夜のBGM


夜バージョンは、昼バージョンで使用する原曲とある程度キーを一致させないと、より相乗効果が出ないという意見が多くありました。

既存の音源のコンセプトと雰囲気をうまく維持しながら、昼→夜へとスムーズに変化できるようにするには、

結局、昼と夜の両方を洗練させることを検討しても良いという方向で社内でも意見がまとまりました。

つまり、原曲を修正もしくは改善する必要がある状況なのですが…。


新しく制作される夜バージョンとは異なり、昼バージョンは慣れと愛着の領域が存在するため、

より慎重にアプローチする必要がありました。

原曲が伝えてくれた独特の感性を最大限活かして移植しなければならないという点で、社内のサウンドチームNECORDと協力し、

既存のBGMで主に伝える感性がどのようなものなのか、

この音源をテーマにした地域のどんな雰囲気やコンセプト、特徴を持っているのかを説明するなど…。

本当に長い時間をかけ、たくさんのフィードバックと議論を重ねながら、昼バージョンの改善も進行中です。


洗練された音源の主要なメロディーを聞いて、

「これはどこの街のBGMだ」とすぐにわかるようにする必要があると考えました。

原曲ラインの楽器の種類は変えないように、主要なメロディー部分は自然に鼻歌でハミングできるように保ちつつ、

既存のBGMを全体的に洗練され、より完成度の高い音源に改善する方向で。

変化が大きすぎて異質感が強くならないように、改善点を溶け込ませるように努めました。


また、使用する楽器の種類が街のコンセプトを損なわないか、同じ地域内で変化する他の音源があれば異質にならないかなど、

複数の楽曲を同時に改善しながら、お互いのバランスと調和を適切に調整することに気を配りました。




グランドマスターの吟遊詩人であり、

Nexonのブリアナが集まったNECORDの作業者の方々のおかげで本当に素敵な曲が作られ、

今はウルラ大陸以外の地域への音源も改善を進めています。 すべての曲を紹介するのは難しいですが、

この投稿にも街の昼間バージョンと夜バージョンを載せておきます。
■タルティーン郊外の昼間BGM■タルティーン郊外の夜のBGM

一言で言えば、タルティーン郊外は本当に傑作です…。最高です。

初めて影ミッションが更新されて、まるでタルティーンが第二の故郷であるかのようにストーンヘンジに座って

ゴロゴロしていたあの頃が思い出されます…(泣)

本当に。心に響く曲です…。



上記で紹介した曲以外にも、他の曲をアンリアルが来るまで、私たちだけしか鑑賞できないのがとても残念です。


昼から夜へと時間が経つにつれて自然にBGMが切り替わる機能に加えて、さらにマビノギならではの情緒を伝える要素がないか検討中です。


例えば、雨が降っているときにBGMにエフェクターをかけたり、

シードフィナハのように周囲が水で満たされているときにフィルターをかけたり…。

周囲の状況にもっともっと没入できるような工夫の可能性を考えています。


より豊かなエリンの音を届けるために、より有意義な体験をお届けできるよう、今日も頑張ります。

ありがとうございました!

『Writer ミルクティー』