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ぷち奈美 |
08/03/06 13:05 |
私がこのギルドに入ってどれくらいの月日が過ぎたのだろう……
「うさぎ海賊団」
私の名前の上には今所属しているギルド名が表示されている。私をこのギルドに勧誘した人物は現在のマスターまるぴなさんの夫ミスリル銀さんだった。前のギルド抜けた日、ティルコネイルの銀行前で魔法の先制こと斉川芳裕さんに相談をしている時に、
「良かったらうさぎ海賊団に来ない?」
突然話しかけられびっくりしたのを覚えている。悩みながらもその日の内に私は今のギルドに入った。
当時、うさぎ海賊団のマスターでギルドメンバーを勧誘する為に各街を回っていた事を聞いた。私が勧誘された後も、新メンバーが増えていった。
その間に色々な出来事があり、ミスリル銀さんが
「いきなりですが今回ギルドを脱退する事に致しました」
ギルドチャットで突然発表。見てはいけないモノを見てしまったような衝撃が私を襲った。
「突然なに?抜けるって事?」
爆弾発言で私は冷静さを失っていた。まるぴなさんとフィアードダンジョンに潜っている時の事だったから。
「………」
まるぴなさんは何も言わなかった。何か理由があって知ってる感があったけど……
「抜ける理由はあるの?理由もなしに抜けるの?」
今思うとなんて発言をしたのだろうとも思えるような事を言ってしまった。
「無いよ」
確かこんな感じだったと思う。
「じゃあ私も抜ける」
変な理屈をさんざん言った後に私も抜ける発言を言ってしまった。
「奈美さんには残って欲しい」
ギルドチャットは静かになっていた。全体チャットでまるぴなさんに
「まるぴなさんは止めないの?」
まるぴなを攻めるのは違うとは思っていたけど止められなかった。まるぴなさんの気持ちも考えず無神経な発言だ。辛いのは私だけじゃない。まるぴなさんやギルメンも同じだった。
「行ってらっしゃい…」
サヨナラは言いたくなかったので言わないことにした。