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なんとなく適当に作ってみた黒木刀の小説
木刀狼 07/12/15 12:36

諸君、私は木刀が大好きだ。
 
激しくフィクション。もはや妄想の域。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
アルビダンジョンの静寂が、突如破られる。
そして、その張本人が、姿を現した。
こいつか……。
 
「ほう……これが噂の黒い木刀ですか…」

     ※     ※     ※

「おう呑樹ィ、おめぇまたあの洞窟潜ってたのか?」
「はい、ようやく目当てのものが手に入ったところです」
「…? なんでぇ? ただの墨塗った木刀じゃねえのか?」
「むう…違います。元から黒いんですよっ」
少年は軽く眉を吊り上げ、ついでに語尾もつり上げて答えた。
 
少年の名は呑樹(のんき)。
真っ白なティルコネイル伝統服に身を包み、
短い深緑の髪は、なんだか樹木の葉っぱの様である。
腰の左側に黒い木刀を差し、右手に本を持っている。
タイトルは、トレイシーの…ここから先はよくわからない。
 
彼は放牧地にたどりつくと、そこに座り込んで鞄をあさった。
「よっし……それじゃさっそく…」
そう言って彼がとり出したのは、本。
それも10冊じゃきかない、大量の本が山となっていた。
ジャンルも、地理学から伝承の本まで様々。
 
ここで本屋でも開業できそうである。
 
そして、その場で読みだした。
「えーと……まずティルコネイルの木が…」
数多くの本を読みながらしきりに黒木刀を睨む。
 
呑樹が本を読み始めて1時間がたったころ…
「…ッ!?」

彼は突然素早く本を閉じ、立ち上がった。
 
ウオオォォォン!
 
その雄たけびに少し遅れて、鋭い牙が呑樹に襲いかかる。
さっと身を翻した呑樹の手に、冷たい光が灯る。
「アイスボルトぉ!」
放たれた白い閃光は灰色オオカミの眉間に直撃し、
オオカミはそのまま動かなくなった。
 
「……、あんな遠くから、なぜ…?」
オオカミはティルコネイルの西から走ってきた。

普通、オオカミの視力、嗅覚では来ることはないはず。
無論、そんな遠くの生物より、近くの生き物を襲うのがよっぽど楽である。
 
『なぜ…か。それは私の台詞だ』
「!?」
突然、呑樹ではない低く通る声が彼の思考をさえぎった。
『私を使うでもなく、ただただ俺と本でにらめっこ……まったく、何がしたいのか…』

「もしかして……木刀?」
若干いぶかしげに木刀を見る。
 
『ああ、その通りだ』
「……すごい…! 話す木刀なんて……」
『ふん……で、さっきは何をしていたのだ? こんな大量の本……』
「はい、アルビダンジョンには黒い木刀があると聞いて、
 でも、少なくとも私の知る限り、黒い木というのは知らないので」
『なるほどな、材質を調べていたと…』
「はい!」
『…残念だったな、私の材質は普通の木刀となんら変わらん』
「え?」
 
『黒いのは、血だ』
「血…?」
呑樹はあ然とした。
 
『私は昔、一人の人間と旅をしていた。
 その人間とは子供のころからの付き合いだ。
 最初のころは力が弱くて、すぐ泣くやつだった。魔法のセンスもなかった。
 だけど、修行を重ね、強くなって、私と主は旅に出た。
 主は強くなっていた。数々の魔物と戦い、打ち勝ってきた。
 …やがて倒した魔物の数が五万を超えたあたりか、私が黒く染まってきたのは』
 
黒い木刀は淡々と語った。

『その頃から、魔物が向こうから襲ってくることが多くなった。
 その魔物たちを倒すごとに、私は血を吸い黒くなっていき、そして会話する力を得
 た。
 黒さを増すごとに、魔物はどんどん向こうから来るようになってきた』
 
『そして、主はアルビダンジョンに潜り、魔物をせん滅していった。
 最後の巨大蜘蛛も倒し、油断した直後だった。
 今までの戦いの疲労もあってか、巨大蜘蛛が死に際に放った一撃で、
 主は血を流してあっけなく死んだ』
 
『そして、最後に主の血を浴び、私は完全に黒くなった、というわけだ』
呑樹は短く息をのんだ。
 
『……わかったら、お前も私を捨てたほうがいい。
いつ襲われるかもわからんだろう』
「……」
『いくら天国で学んでも意味はない、そこらへんに埋めておくなりしておけ』
「……ぐっ…」
『…おい、聞いてるのか』
「うぇ…ぐ…ひぐっ……」
 
『なんで泣いてるんだ? お前は…』
呑樹は泣いていた。
顔をぐしゃぐしゃにして、子供みたいに嗚咽していた。
「だっで…だって、自分のせいで…主人が、死んでしまったんですよ……」
とぎれとぎれな言葉をつないで、話す。
「木刀さんのこどを思うと……悲しぐって……」
 
『ふう…ありがとうな、泣いてくれて…
 ほらほら、もう泣きやめ、それじゃあ本も読めないぞ』
「はい…ありがとうございます…」

(あれ? なんで俺がなだめてるんだ…?)
 
すぐ泣きやんだ呑樹は、唐突に声を張り上げた。
「でも、でもわたしは、木刀さんを捨てません!」
『…はぁ?』
「なぜ木刀さんがしゃべれるのか、魔物が寄ってくるのか、
黒くなった理由も調べたいですし、それに!」
 
「あなたといると、何かもっと新しい発見が出来そうです。
根拠は、ないですけどね……」
 
『…ふっ、まあいいさ。よろしくな』
「よろし―――――――
 
ばごーん!
 
突如駆けてきた衝撃が、本の山を吹き飛ばした。
「うひぃあ!!」
『おいおい……』

紙切れの舞う中現れたのは、普通では考えられない大きさの黒オオカミ。
高さ2m弱、立ち上がれたら3mはゆうに超すだろう。
大きく開いた口は、大剣のような牙を見せつけているようだった。
 
『…くそっ、おい、勝てるか!?』
「…わからない、けど勝ってみせます!」
呑樹は魔法を唱えた。
 
「アイスボルトっ!」

氷の欠片が分厚い皮にめり込む。
だが――――――――
 
きぃいん!
 
「っ!?」
高い音をあげて、氷は砕け散った。
 
どかっ

「うわあああぁあ!」
巨体からの体当たりに、呑樹は吹き飛ばされた。
「ごほっ…げほっ…」
『馬鹿、こいつはマナリフレクターを持ってる! 魔法は大して効果がない!』
「わ、私…魔法しか使えな…」
『…しかたない、俺を使って戦うしかないだろう』
「やって…みます」
呑樹は木刀を片手にしっかり握った――――
 
その瞬間、黒いオーラのようなものが彼の右手を覆った。
「!?」
『なんだ……これは!?』
当の木刀すらも見たことのない「黒い光」。
それが波打つごとに、呑樹は身体の奥から力が湧いてくるのを感じた。
 
グオオオオオオン!
 
『…おいっ! 来るぞ! 構えろ!』
「……」
呑樹はゆっくり木刀の先端を、今まさに突進してくるオオカミに向けた。
 
『おいなにしてる!早く防御しろと…』
「たぶん、大丈夫です」
そして呑樹は詠唱を始める。
さっきとは違う炎の魔力が、木刀の先端に集まっていく。

精製された炎は、1度の詠唱ではありえないほどに黒く肥大化した。
『なんだ…これは…』
そして爆発する、漆黒の火球。

 
「ファイア ボルト!!」
 

どがあああああああああん!!!
放たれた火球はオオカミの顔に直撃し、その巨体は茂みの奥へと吹き飛んだ。
 
「……やった…!」
『なんだか知らんが…そうだな、やったぞ!』
戦いの開放感のなか、風に舞う紙きれのなか、呑樹は芝生に倒れこんだ。
 
「腰が…抜けてしまいました…あはははっ…」
     ※     ※     ※
「さて、行きますよ、木刀さん」
『木刀さんねぇ…ま、どう呼ぶかは勝手だがな、主よ。
 で、どこに行くんだ?』
「ダンバートンです。あそこは図書館もありますし、
 あなたの謎のヒントになる本があるかもしれません」
呑樹は目を輝かせた。

「ああ……いったいどんな素敵な書物が……」
 
そんな独り言を聞きながら、黒木刀は思っていた。

(そうか……似てるんだ、あの馬鹿主と。
 すぐ泣くくせに、『あなたといると新しい発見が出来そう』か、
 旅に出る時の馬鹿主と同じ台詞だ…)
 
「よし、まずはトゥガルドアイルで…」
『ほら、早く行くぞ。計画なんか後でいくらでも変わる。
 まずは行動だ』
「それもそうですね、じゃ、行きましょうか!」
こうしてまた、一人の旅人が歩きだす。
多分、終わりのない道を。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――
終りが月並みすぎるな……。

件名 名前 日付 閲覧数
 

各掲示板の用途について

2005/03/23  
 

MML関連の書き込みに関する補足

2005/03/04  
 

自由掲示板のご利用について

2005/01/17  

赤い卵ってなんだ!?

+33
Teros 2007/12/20 6350

(´・ω・`)なんとなく作ってみました・・

+4
キュアリー 2007/12/20 2330

勉強(作業)スタイルどんなんですか?

+7
類洞 2007/12/17 1715

なんか最近、キーボード入力が

+5
ALFES 2007/12/16 2064

なんとなく適当に作ってみた黒木刀の小説

木刀狼 2007/12/15 2161

なんとかして~ネクソン~

+9
エンター_tri 2007/12/13 3258

これもコスプレなんかな

+51
ソロウ_mar 2007/12/13 4469

名言集ってなんか響きよくね?

+23
蒼桜のどか 2007/12/10 2250

[返事]名言集ってなんか響きよくね?

コンタクト_tri 2007/12/11 1532

(  ・ω・)今日はなんでもない日

+9
ウィノア_mar 2007/12/07 2833

ネカフェの店員なんですけど

+15
アインセス 2007/12/03 4877

ところでさ、最近思いついたたった一つの疑問なんだけどさ?

+3
範馬勇次郎 2007/11/28 2939

なんとか事態は解決したわけだが

+14
ネフィエル 2007/11/28 4780

なんとなくSNSサイトを作ってみたわけだが

+13
ネフィエル 2007/11/28 3253

なんとな~く

+6
おーちゃん 2007/11/25 1935

糞って言った方が糞なんですぅ~

+26
sagara_tar 2007/11/24 3609

どんなんだろう

+7
よにんめ_mar 2007/11/23 2416