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シールア |
09/04/20 16:41 |
このお話はファーガスのところに巨大なゴーレムが修理に入れられたところからはじまります・・・。
あまりにつまらないかもしれないのでウザくなったらスルーして下さい。
とある日、めずらしくファーガスの所へ大口の仕事が舞い込みました。
巨大な鉄のゴーレム修理、だが手元に部品がないため作業は滞り、仕方なく部材が届くまでのあいだ残りの修理をこなしていました。
だが・・・。
”ちっ、鉄鋼が切れたわい・・・レイナルドのチェーンメイルの納期は明日だってのに・・・さてどうしようか・・・お?
この鉄ゴーレムのつま先を少し借りとくか! どうせ納期は来月だし・・・”
トンカンカン!ドスッ!ぐはっ!
”う~む硬いなどうするか・・・そうだ美人先生に飲み会ン時話聞いた魔法で溶かそう、え~っとなんだったか・・・”
ブーレイ・ブーレイン・デード・・・血の盟約にしたがいアバドンの地より来たれ! ゲヘナの火よ! 爆炎となりて全てを焼き尽くせ!
瑛魔焦熱地獄!・・・あ、ちごた・・・これ禁呪だわい・・・あ・・・”
ぐら~~り・・・ドズ~~ンン!!!!!!!
アリサ ”うわ~ん!あたしの風車が壊れちゃったよう!!!!!”
ノラ ”ファーーーガス!!!!なにやったのおおおお!!!旅館が半壊しちゃったぢゃないいいい!!!”
ダンカン ”ファーガス! どこぢゃ! ウチの猫がショック死したぞ!”
村人が殺気をみなぎらせてファーガスを捜していた頃、当のファーガスは修理に入っていたパラディンの鎧から少しづつくすねていた銀やミスリルを路銀に王都タラを目指していた・・・
”ふんっ! タラで槍試合の修理で一旗あげてやるわいっ!”
それから数ヵ月後のこと・・・。
ウレイドの森を力なく歩いている彼の姿があった・・・。
”ふぅ~っ・・・やっとトゥガルドアイルか・・・やれやれぢゃわい・・・くっそ~タラでも借金取りに追われてしまったわい・・・
ったく最近の若いモンはダス鎧やドラブレを2ポイント削ったくらいでキレおって・・・まぁ女神ESついてたのを削ったのは悪かったかな・・・ティルコの住民なら笑って許してくれるのに・・・お? トレイシーの奴じゃわい、あいかわらずムサ苦しい奴ぢゃの~
ハダカの女ジャイを毎日眺めてニヤニヤしおってうらやま・・・い、いや、スケベなやつ・・・見つからんように迂回せねば・・・”
とぼとぼと痛む足を引きずりながらやっとなつかしいテイルコネイルへ帰ってきたファーガス。
だが彼は預かりものの巨大ろぼと、エリンでいう鉄ごれむを倒壊させてテルコの村人に追われる身ではなかったのか?
”おお!懐かしの我が家! やっぱり故郷はいいのう”
懐かしそうにまず鍛冶場を覗き、家へ入ったファーガス・・・そのときドアをノックする音が。
コンコン、”ファーガスおぢちゃん~!!!おかえり~!!!!”
”ア、アリサ! ”
鍛冶屋とは思えぬすばらしい敏捷さで壁際に張り付いたファーガス、思わず周囲を見渡し他の人影を伺った。
”ア、アリサひとりかい? おぢちゃんはね、今かくれんぼしてるんだ、みんなにはここにいるのナイショだよ?ほらこれあげるから”
かたわらのズタ袋からアラトの実を取り出し、いたいけな少女の小さな手に押し付けて外に追い出した彼は全身汗に塗れていた。
”くっそーこれというのも酔っ払って禁呪の自慢をしたラサのせいぢゃわい、なんでわしがこんな目に・・・”
自分がしでかした事を棚に上げ美人先生を罵るファーガス、今はとにかく誰にも見つからずひっそりと生きていたかったのだが・・・。
”ファーガスでてこいーーー!!!!!!” ”ファ~~ガス~~よ~く~も~”
ささやかな望みも打ち砕かれ、家の周りにはアラトの実でラリったアリサの自白で事情を知った村人がたいまつを手に周囲を取り囲んでいた。
”それみなの衆、やつを引きずり出すのぢゃ!”
ダンカンの号令の下、一気に突入した村人によって引きずり出された彼は縄で縛られ、広場へと引き立てられていった。
”キリキリ歩けっ!”
トレボーに急き立てられ、とぼとぼと歩くファーガス。
”ああディリスさん! オレの雄姿みてくれてるかな?”
ヘルムの下でニヤけるトレボー、そのとき!
”待ってくださいみなさん! ”
広場にしつらえられた裁判の場に透き通った慈愛にあふれた声が響き渡った。
ゆっくりと村人の間から現れた黒衣の影、それは村の聖堂のシスター、エンデリオンであった。
”ライラミク神のお慈悲のもと、彼を許してあげてはいかがでしょうか? ”
両手を組み合わせ、ゆっくりとひざまづき短く祈りを捧げて村人を見渡すエンデリオン・・・その漆黒の瞳は真珠を思わせる涙を湛え村人へ訴えかけていた。
”ファーガスさんがなにをしたか知りませんが許してあげてください・・・お願いです!”
”し、しかしこやつはだな・・・”
”村長!”
ひたむきな視線をうけて言葉に詰まるダンカン村長と村人達、そこへ・・・
”お~い!ファーガスが帰ってきたとな? ちょうどよかったこれを修理して欲しいんぢゃが・・・”
息を切らせながら駆け寄ってきたメイブン神父、彼の手には台座からはずれたブロンズ像が握られていた。
”いや~おまいさんに作ってもらったコレな、評判がよくてダンバートンやイメンマハからも問い合わせがきとるんぢゃ、スチュワートの予約分がこわれてしまってのう、修理して・・・ん?”
”メイブン様・・・それ・・・は・・なんですか・・・?”
うつむいたエンデリオンのバラの唇から怨嗟に満ちた声が漏れ、広場は一瞬にシドスネッターのように凍りついた。
あわてて法衣の下に隠そうとしたメイブンの手から取り上げられたそれは妖艶なポーズをとったエンデリオンのブロンズ製ヌードフィギュア(バスト・ヒップ20%増し)であった。
”おおおおおお~~~~っ!!!!”
村人(特に男性)のあいだからどよめきがあがった。
”し~んぷ~さ~ま~!!!!”
その華奢な指先のどこにという怪力で像をボール状のインゴットに変え、メイブンの額にヒットさせたエンデリオンは、白目を剥いて気絶したメイブンの首根っこを掴んで引きずりながら広場から消えていった・・・。
”あ~ゴホン、さてファーガス、申し開きすることはあるかね?”
”あの、村長・・・”
口を開こうとしたファーガスをさえぎって背筋が凍るようなメイブンの悲鳴がティルコの山々に響き渡った・・・。
一様に祈りの形を切る村人達・・・。
”・・・あ~さて審議を続ける、ファーガス! おまえは修理に預かった巨大鉄ゴレムを倒壊させ、風車小屋、宿屋を半壊させ、わしのかわいいネコをショック死させた・・・相違ないか?”
”お代官様!・・ぢゃない村長! それは濡れ衣です! ワシはここんところずっとタラへ行っていてゆうべ帰ってきたばかりでごぜえます! 鉄のゴレムやら風車小屋やらなんの事ですか? ひさしぶりに村へ帰ってきたのに・・・あんまりでごぜえます!”
”だまれファーガス! オマエがゴレムを倒壊させたことは明白ぢゃ! オマエを見たという証人もおるしの。 それともそれはニセモノだと申すか?”
その言葉をまってましたとばかりにファーガスの目に光が宿った。
”そ、そうですダンナ! そいつはニセモノにちげえごぜえません! 今、王都タラでは人のニセモノが出没しているというもっぱらの噂です。 戦士達が影の世界へ行って何人も目撃したそうでごぜえます! 鎧や剣の修理にきた客に聞いた話ですから間違いごぜえません! 信じてくだせえダンナ様!”
”だまれ!誰がダンナぢゃ! ニセモノだと?ではオマエはにせのファーガスがこのところ商売してたと申すか?そして鉄ゴレムを倒壊させたとな?”
”そ、そうですそいつはニセモンのワシです ワシはタラで鍛冶屋出張してたんです~!!!”
”う~む、にわかに信じがたいが・・・誰かそのような噂を聞いた者はおらんか?”
”その話ならば聞いた事があります!”
ダンカンの問いに村人達の後ろから旅の戦士と思われる屈強な青年が従者を引き連れて広場の中央へ進み出た。
”今王都タラでは影世界にて自分のニセモノがでるというもっぱらの噂です。 かくいう私もわが身そっくりのもうひとりの自分に遭遇し怪我を負いました・・・。 ニセモノが出るというのは本当です”
ざわめく村人達、しばし沈思黙考するダンカン・・・。
”う~む、そなたらの言うことならば間違いあるまい・・・よし、ファーガスの縄を解き放て! 解散!”
三々五々散っていく村人達・・・話題はもっぱらエンデリオン像のことばかりであった・・・。
”いや~助かったよ旅の方、一時はどうなるかと思ったよ~”
ニコニコ顔で旅の戦士団に近寄るファーガス、だが彼は不吉な空気を感じて後ずさった・・・。
”タラのトーナメント場裏で鍛冶屋をしてたファーガスだな?”
”へ、へい、ワシがファーガスですが・・・なにか?”
あっというまに取り囲まれ、殺気を漲らせる彼らにおびえるファーガス・・・。
”よ~く~も~オレ様のダス鎧削ってくれたなぁあああ!”
”私の村正~!!!!”
”わしのドラブレ~ぇえええ!!!!”
”私のチャンピオンの鎧からミスリル削ったのアンタでしょ!!!! プレートが一枚消えてたわよおおお!!!”
あっという間にふるぼっこされ、身包み剥がされたファーガス・・・広場の木に裸で逆さに吊るされ放置されましたとさ・・・。
因果応報、めでたしでめたし・・・。
ちなみにその後、心ある村人にヒーラーの家へ運ばれましたが、満足に治療はしてもらえなかったそうです・・・。
”フンッ! おとこなんか・・・・”
彼女をモデルに像作ってたらトドメ刺されたでしょうね・・・なんまんだぶ・・・。
なお、このお話は再アップです。劇中のNPCの性格はあくまでフィクションです。