自由掲示板

ツンデレの方程式・前編(小説
ダスキ 08/02/04 18:22

遂にこの日がやってきた。2月14日…そう、バレンタイン。天気は快晴、実にいいお散歩日和だ。
世間では『サキュバスの服』イベントで賑わっているようだが、♂である俺にはそんなの関係ねえ。
イマイチ不評なイベントはほっといて、俺は戦場へと向かう。あぁ、高望みなのは分かってる。百も承知だ。しかし!そこに僅かな…ほんの僅かな可能性が一欠けら…いや砂一粒もあるようならば!向かわねばなるまい…漢(オトコ)ならば…。
 
・・・そんなワケで、俺は今センマイ平原にいる。察しのいい方ならばもうお分かりだろう。俺は…俺は今年こそ彼女に…!!あぁ!女神モリアン!!どうか俺にあの時の勇気と力を…いやホント少し、ホントに少しでいいんで…ギブミィィィィ!!
「…何一人で身悶えてるのよ。気持ち悪いわね…」
!!
凛としたその声で、俺は意識を取り戻す。危ない危ない、またトリップしてしまうところだった。
「あー!イヤー…えぇーと…こ、こんにちはフレッタ!よく俺の存在に気付いたね!」
振り返ると、そこには小柄で愛嬌に満ちた少女が一人。しかし、その姿とは裏腹に、氷のような冷たい目をしている。
 
そう…これは俺の小さな『戦争』
 
「…別に。あんな奇妙な動きをしてたらイヤでも気付くわよ」
 
今年こそ…今年こそ俺は…!
 
「い、いやー、そう…そんなに変な挙動だったかなーあははははは」
「…毎度のことながら、変な人ね。一回アグネスに診てもらったら?」
 
この小さな天使(マァイ・リトゥル・エンジュェル)からチョコをゲットするぜ…!!
 
これは、俺の愛と努力の物語
 
 
とりあえず、廃屋となった民家跡の石段に二人で腰掛けることにした。
「いやーそれにしてもアレだよねー!その…」
いかん。いきなりのフレッタ登場に動揺し、話題をどう「バレンタイン」に繋げるか思い浮かばない…!本来では全くの偶然を装い…
『やあ、フレッタ。こんなところで奇遇だね』
『あら?貴方、その手に持ってるものはなんなのかしら?』
『ん?これかい?いやー今日はバレンタインじゃないか。[スッカリ忘れてた](強調)んだけど、さっきコレを貰って思い出してね。アハハハハ』
『そ、そう…。あの…その…これ…』
『ん?なんだいこれは?チョコじゃないか』
『その…今日の為に作ったの。言っておくけど、義理じゃ…ないのよ?』
-以下省略-
 
…ってなるハズだったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいい!!工作用のダミー・チョコレートだって用意してあったのにぃぃぃぃぃ!!
ちなみに彼女の登場までは木の陰で待機しているつもりでした。ストーカー?いやいや愛の戦士ですよ。
「…ちょっと。話しかけてきたかと思ったら急に黙り込んで…。さっきからどこの天使と交信してるのよ。目がおかしいわよ?」
「いやいや、愛の戦士ですよ」
「はぁ?貴方本当に頭大丈夫なの?」
ハッ!いけないいけない・・・一旦頭を冷やして落ち着くんだ俺。クール・ダウン&ブレイク。
「いやー、ちょっと春の陽気に当てられちゃってね。大丈夫大丈夫」
「…まだ冬よ。重症ね、貴方」
…いかん。なんとかして話題を変えねば…
「そ、そういえば今日はラブはいないの?姿を見かけないんだけど…」
よし、ナイス話題だ俺。
「あぁ…あの子、最近寒いから外に行きたがらないのよ。しかも、動かないのによく食べるから太ってきてるのよね…全く、困ったものだわ」
「へぇ~。まぁ気持ちもわからなくはないなぁ…。俺だって寒い日は外に出たくないし」
「あら?じゃあ、どうして今日は此処にいたのかしら?」
「・・・え?えぇ~と…」
キミの愛の証を頂くためさ!なんて台詞は言えず、俺は答えに詰まる。しまった…墓穴を掘ったかもしれない…。理由、理由…今日は…えぇーっと…今日は…ん?今日は?
その時、俺の頭の中で最高の考えが浮かんだ。これだ。これしかねえ!
「ところでさ!フレッタ、今日は何月の何日だったっけ!?」
完・璧。時々自分の機転の速さには恐怖を憶えるぜ・・・。
「はぁ?どうしたのよ急に」
「いや~。さっき赤クマにアタマ叩かれたトキについ忘れちゃってさ!あはははは」
「笑ってる場合じゃないでしょ!病院行きなさいよっ!!」
「いやノー・プログレム!で、今日は何日だっけ!?」
そう…今日は2月14日。彼女も、今日の日付を思い出せば、俺に渡すものがあるということを思い出してくれるハズさっ
「え…えぇぇ…?今日は…2月の…」
と、そこでフレッタはハッとしたような表情になった。!(゜д゜)ハッと。
「…そうだわ。今日は貴方に渡すものがあったのよ」
キターーーーーーーーーー(゜▽゜)ーーーーーーーーーー!!
「えー!?マジで!?いやー一体なんだろう!?見当もつかないなー!!アハハハハ」
「うるさいわね…ハイ、これ」
うおっしゃあああああああああ!!去年は<ピーーーー>が<ピーーーー>だったりして貰えなかったけど!ついに!ついにぃぃイイイ!!
「いやー!悪いね!こんな高そうなチョ・・・」
手に持ったそれを見て、俺は固まる。
紙…だ。
「貴方前に首輪を作ってきてくれたでしょ?いきなりで悪いんだけど、今回はそのデザインの首輪を作ってもらいたいの。お願いできるかしら?」
「…いや、あの…」
「…ダメ、かしら?」
「やります」
条件反射的に俺は答えていた。彼女の上目使いはもはや凶器だ。
「ありがとう、助かるわ。じゃあ今夜の夜までに作ってきてちょうだいね。あ、あと遅れたらタダじゃおかないから。じゃあ、よろしくね」
そう言って、彼女はいつのまにかいなくなる。
…俺は、残された俺は…
 
-続-

ルミナレイ このフレッタ、実によくしゃべる。 きっと主人公に気があr(ry 小説というのは、どう読み手を感情移入させるかが、肝になると、私は思います。 あまりに文章中の主人公の自己主張が強すぎると、それが遮られる可能性があるかと思います。 偉そうなことを言っていますが、私もまだまだです。 お互い精進しましょう。 08/02/04 18:49
ダスキ 自己主張の強さは故意にやったんですが…うーん。矢張り分かりづらかったか;;なんというか、最近主人公視点の小説が多いのでそれを真似てみたんですが、難ありのようですね;;やっぱり小説ってのは難しいなぁ・・・まぁ、そこが面白いんですがね・・・wお互い頑張りましょうw 08/02/04 19:05
創世神_tri ツンデレ喫茶は外道だと思う人手ノ 08/02/04 18:59
極死_mar 08/02/04 19:21
アクリッシュ 08/02/04 20:03
アクリッシュ 不覚にもワラタ これからもがんばってください! 08/02/04 20:03
ダスキ あざーっす!!ホントこういうのって嬉しいですなw頑張ります!迷惑にならないくらいには!w 08/02/04 21:28
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マビ小説 僕の世界 第2話

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