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ホルスレイ |
08/01/29 18:01 |
*注意*
ここに書かれていることはいつもの如く作者の勝手なる空想です。
presented by Holsray
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闇に紛れる様な深い色のフードを被った彼女は、ダンカンから貰った方の袋を開けて、
灰色の小さな紙を取り出すと伐採所に続く道へと向かった。
小さな紙に魔力を送り込み、そして、そこら辺に居る灰色の生き物にその呪布を貼り付けていく。
イウェカの力を借り、青白く輝く彼女の姿はまるで人ではないもののようにも見える。
「うわぁっ!何してるんだよ、こんな時間に・・・」
そんな、神秘的な光景にそぐわないおかしな声を上げたのは、
そこに居たのかさえも作者ですら気付けなかった雑貨店の男だった。
「マルコム・・・あんたこそこんな時間に何してんのよ・・・」
(魔法を使うには集中力がとても大事なのに・・・・)
こんな妨害が入ってはさっきまでの高いモチベーションは取り戻せそうに無く、
すこぶる機嫌が悪くなった彼女は、今にもライトニングを詠唱しそうな勢いで彼を睨み付けた。
「な・・・何って・・・・さっきからここで羊の毛を刈ってたのに・・・・」
彼も、自分の仕事に集中していて、すぐ脇にいる狼が呪布を貼り付けられるまで、
彼女の存在に気付いていなかったらしい・・・
「ごめん、邪魔しちゃったわね」
仕事を邪魔してしまったのはお互い様なので、彼女は灰色の呪布をしまうと、
羊の放牧場の方へと移動して、今度は赤い呪布を貼付けにかかった。
「赤い狐さんと~。黒い狼さん終了w・・・・後は・・・クモにミミックか・・・・」
さすがに、このミミックの量は・・・ちょっときついかもしれないぞっと
袋の中身を確認しながら、彼女はつと眉根を寄せた。
どうやらスタミナとマナをかなり消費してしまっているようだ。
「早く、補給しに行かなきゃね・・・」
両手に袋を抱えなおして、彼女は夜道を急いだ。
『メェ~~~~』
さっきの場所で、マルコムはまだまだ羊と格闘しているようだ。
「・・・あんた・・・一体いつになったら終わるわけ・・・?」
いつも仕事が遅いとは思っていたが、ここまでとは思っても見なかった。
これじゃぁ、いつも頼んだ服が納期に間に合わないわけだ。と彼女は呆れ顔で彼を見つめた。
「しょうがないじゃないか・・・今日はアルバイト少なかったし、
ディリス姉さんに包帯用の分も頼まれてるし、ラサもやたら難しい服ばっか頼むから・・・」
「・・・・・・・・」
このとろい男は・・・・彼女の真意にまったく気付いていなかったらしい・・・・
彼女がなぜ、わざわざ作りにくい服ばかり注文しているのかを・・・・
「そんなに大変ならノラに頼めばいいでしょう??」
そう、そのためにわざわざマハから難しい服のカタログまで取り寄せているというのに・・・・
「だっ、そんな事できるわけないだろう?彼女も仕事で忙しいんだし・・・」
いつまでたっても・・・彼は昔のまま、変わらずの“うじうじのマルコム”だったらしい・・・・。
はぁ。とため息を一つこぼすと、彼女は羊の毛の詰め込まれた袋を一つ取り上げ、
「これは、私が運んでおいてあげるから・・・・洋服早く仕上てよ?」
とだけ念を押すと、次の目的地に向かって彼女の姿はまた闇の中にとけるように消えていった・・・・・
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ここでは・・・4人は幼馴染の設定でお話がすすみますです。はい。