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木刀狼見聞録6(小説だよ)
木刀狼 07/10/08 02:36

諸君、私は木刀が大好きだ。
待たせたな。うん、誰も待ってないことは分かってる。
いつも通りのフィクションだ。受け取り方はあなた次第。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
こんな話を聞いたことがあるかい?
家が嫌になった少年が、家出をするんだ。
少年は、家から離れて、色んなところでいろんな人に出会って。
そうして旅を続けていったんだ。
そして、ずいぶん家から離れたと思ったとき、
少年は、ふと右側を見て。
 
   ※   ※   ※
 
「だから、外は危険だって言ってるだろう?」
「うるさいな、もう行くって決めたんだ!」
 
バンッ
 
と、乱暴にドアを閉め、僕は家を出た。
僕は家出をした。
理由は、外は危ないだの言ってくる親に嫌気がさしたから。
家にあった短剣と、少しのお小遣いを手に握ったまま、道を歩いた。
 
それに。
ここティルコネイルは、大きい街ではない。
僕の夢、強い魔物を狩る剣士になるには、少しでも人が多い街の方がいいだろう。
そう考え、僕はダンバートンへと足を速めた。
 
長い長いトゥガルドアイルの道。
やっと伐採キャンプにたどり着いたとき、2~3人の小さな集団が目に入った。
「なんだ…?この人たち…?」
 
見ると、人々はタヌキを追いかけている。
タヌキに追いつくと、ショートソードでタヌキを切る。
鮮血が飛び、地面を少し濡らした。
 
「ひっ……」

少年は思わず目をそらした。
 
「わかるか?何をしているか…」
その声にはっとして振り向くと、黒いローブを着た男の人が僕の傍らに立っていた。
背は高く、逆光が灰色の髪を濃く染めていた。
「わかんないよ…」
素直な気持ちが喉を突く。
「あんな、無抵抗なタヌキを狩る意味なんて…わからないよ…。」

「ああ。だが、それが金を稼ぐ方法、というものなら。」
彼は集団をじっと睨み、呟いた。
 
「生きていくために、金は必要不可欠だ。
そして、己の欲望を満たすために必要な時もある。」
「…でも…そんなの…」
「…いいか。決して金の魔力に負けてはいけない。
彼らは、目の前のモノだけに固執しすぎたのだろう。
おそらく、声をかけても聞こえない。」

「……。」
「これも、現実だ。」
 
 
「家出か?」
「うん。」
「元いた所に帰りたくても、帰れない奴もいる。」
「…。」
「帰らないのか…」
「…うん。」
「…私は、君についていく。」
「…え?」
「何か、いいことがありそうでな。」
「…うん、よろしく」
 
僕はトゥガルドアイルを後にした。
無口なその人は、僕の後ろからついてきた。
 
やがて僕と黒いローブの男は、ダンバートンに着いた。
賑やかな街に、僕は少しぼうっとしてしまった。
すると、
 
しゃりんっ
 
近くで、金属のすれ合う、まるで抜刀したような音が―――
 
「―――!!!」
振り返った眼に、剣を振りかぶる男の姿が映った。
 
「う…わっ!」
がんっ
とっさに黒いローブの男が木刀を取り出し、その剣を受け止めた。
 
「やめてくれないか?」
「…。」
「少年。行こう。少し買いたい本がある。」
そういって彼は僕の手を半ば強引に引き、本屋へ歩いた。
「逃げたな。」
後ろからそんな言葉が聞こえたが、彼は無視した。

 
今、彼は本を読んでいる。
街中のベンチに腰掛け、さっき買った本を広げていた。
トレイシーの……ここから先は読めない。
 
「ねえ……?」
「ん…?」
「あの人…なんでいきなり斬りかかってきたの?」
「ん…さっきのか。」
彼は少し考えて、そして言った。
「…昔、街中で一人の男が襲われて重傷を負ったんだ。
その時の容疑者は特定できた。この街を治める城主の、数少ない出資者だ。」
 
彼は本に目をやりながら淡々と語り続ける。
「多額の出資をされていたため、そいつが逮捕されたら表だって金を貰えなくなる。
だから、襲われた奴に金を渡したんだが、どうも外野がうるさかったらしい。」
「それで…?」
「それで、こういうやり方だ。」

彼は本から目を離し、僕の目を見た。
「街中で戦いたい奴は、登録をして、自分の顔をエヴァンの所で見れるようにする。
で、他の戦いたい奴を襲っても大丈夫…ていう条例を作った。」
「な…なんだよそれ…」
「おそらく被害者にさらに金を渡して、これに形だけ登録してもらったんだ。
事実、一週間後には登録が消されていた。」
 
「でも、なんで?僕はそんなの……?」
「他の奴と間違われたんだろうな。よく使われる言い訳でもあるが。」
そういうと彼は本に視線を戻した。
「…そんな……。」
僕は、何か失望感に襲われて。
そのままギュッと拳を握り締めた。

「…ん?」
「どうしたの?」
「…いや、ここでお別れのようだ。」
彼はまた、視線を本から外した。
その先にいたのは―――
「お母さん…?」
「あっ!どこ行ってたの!?探してたのよ?」
お母さんの目から涙がこぼれる。
「…さあ、帰るわよ。」
「…うん。」
「…? やけに素直じゃない?」
「ううん、ただ…」
僕は彼の方へ振り返った。
「元いたところに戻れるなら、戻りたいからね。」
ベンチに座る彼の顔が初めて笑った気がした。
そして、彼がつぶやいた言葉。
 
   ※   ※   ※
 
たわいもない笑い話ととるか、何かのメッセージととるか。
そんなことはあなた次第。
もしよければ、私と右側へ歩いてみませんか?
そこにはきっと、元いた場所…。
 
「おかえり」

――――――――――――――――――――――――――――――――――
まあ…ほんとに受け取り方はあなた次第だ。

流星ジョニ一_tar うんなんかネクソンのいろいろな問題を含めた話だと思った。それと外は危険だと現実も仮想も含めて思った。 ところで今日アルビ15週ぐらい回ったら黒木刀二刀出たんだけど、どうすればいいんだろ…(飾りとして倉庫に置いとくべきか…) 07/10/08 02:57
アノロク へ?・・・ 15周で黒木刀2刀・・・・・? ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・←コメントできない ばたっ←倒れた 07/10/08 09:04
黒法衣 (;゚∀゚)読ませてもらっいましたYO。 帰れる場所があるっていうのはいいね。 最後のほのぼのとした部分が前半の殺伐さを消化して、 暖かみのある終わり方だと思いました。 >私と右側へ歩いてみませんか? ここがちょっと解りにくい表現なのですが…誤載ですか? 07/10/08 13:07
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huu 2007/10/08 4215

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ライトグレイ 2007/10/08 3821

質問です。いっちゃん(インキュバス)ていつ実装?

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Suteries 2007/10/08 4189

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マビむす 2007/10/08 5246

木刀狼見聞録6(小説だよ)

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木刀狼 2007/10/08 1826

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どじっこ天使 2007/10/08 3967

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力ルポ_tar 2007/10/07 2312

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包茎童貞腋臭 2007/10/07 3842