 |
木刀狼 |
07/09/04 23:40 |
諸君、私は木刀が大好きだ。
待望もされてない第二弾。
やってしまった…第三弾まで行きそうだ……。
―――――――――――――――――――――――――――――――
今日もリボーク達と遊ぶ。
わたしは西の伐採キャンプにいた。
そして、今からとてもワクワクしてた。
わたし達とは違う生き方をしている彼ら。
その話を聞けると考えただけで心が躍った。
種族が違う。
でもわたしはそんなことを気にしていない。
だって彼らはきれいな眼をしていたから。
何よりそれが、私を惹きつけていた。
「さあて、行くかなっ！」
わたしが薪を抱えて振り返ると…。
どんっ
「あ……」
「なにしてんだコラ？」
「その…す、すいません…」
「…、あーいてぇ、こりゃ骨折れちまったかなぁ？
慰謝料いただくぜ？５万Ｇで許してやるよ。」
き…聞いたことある…。
これは……。
「じゃぱにーずやくざーーーー！！！」
「あ、コラ待てや！金払え！時代背景もちょっと違うわ！」
だだだだだだだだだだだだ！
わたしは必死で走った。
もちろん、昨日のゴブリンの村へ向かって。
森の中に入れば撒ける。あと少し……。
がつっ
「あっ……。」
わたしはそこらへんの石にけつまずき、頭から地面に突っ込んだ。
いそいで起き上がるも目の前には…。
「さあ…て。金払ってもらおうかぁ？ああ！？」
ものすごい剣幕で男が睨んでいる。
ああ…ここまでステレオタイプな追いつかれ方するなんて…。
お金払えないってばれたらどうしよう……。
わたしが「腎臓っていくらだっけ」などと考え出したそのとき。
「たて、かふぇちょこ！」
ガサッと乾いた音とともに茂みからブンバが飛び出してきた。
突然あらわれたゴブリンに男はひるんだ。
「おりゃあああああ！！」
ばがんっ！
「ぐえっ！」
気合い一発、ブンバのスマッシュで男は吹っ飛んだ。
「げほっ…ごほ…、くそ……餓鬼め…」
「…かふぇちょこ……こっち……。」
「レビンにリボークも……！どうして…？」
「あれだけさわいでたらね。それよりはやく。」
「うん……」
わたしはブンバの腕をひっぱって森の中へ入った。
がさっ、がささ…ばさっ。
草をかき分け、何とかゴブリンの村に到着した。
「はぁ…はぁ…、全く、ついてないなぁ…」
わたしは肩で息をしながら言った。
１回目は熊に追われて。２回目は「やくざ」に追われて。
「まぁまぁ、それをいわない。」
「そうだぜ、おれがたすけなきゃやばかったぜ。
なあなあ、やくざってなに？」
「…かふぇちょこ。」
レビンがわたしの前に立つ。
「ん？何？」
「おでこ…ち、でてる…」
「え？」
わたしは自分の額を触る。
「痛っ…」
ぬるっとした感覚。すりむいたようだ。
「すこし…まってて……」
そう言うとレビンは手で玉を作るようにした。
そして、ゆっくりと魔法の詠唱を始めた。
「！…」
しばらくすると光の玉がレビンを囲んだ。
「ひーりんぐ…」
光が雪になり、それが私を優しく包む。
あたたかい感覚に包まれ、それが終わったころには傷は癒えていた。
「…これで…だいじょうぶ…」
「…ふぁ…」
「すごいすごい！レビンこんなの使えたんだ！」
「れびんはごぶりんむらですくない『ひーりんぐつかい』なんだ！」
「…そんな…すごくない…よ…」
そうは言いながら、すこし顔がほほ笑んでいたレビンだった。
やがて、今度はレビンの家で夕食を済ませ、夜となった。
「散歩してきていい？」
「おお、よるだったらおれにまかせろ！」
さっきまで寝ていたブンバが突然飛び起きた。
つられて残りの二人も起き出す。
「どっかいいところ知ってるの？」
「ああ、しってるぞ。」
「ぶんばー、あそこいくのー？」
「いく！」
「…きょうは…だから…いいかもね…」
「へ…？どんな所なの？」
「へへ…みればわかるよ…」
夜の道を歩いて１０数分。
「まだ着かないの？」
「もうすこしだ…」
「いくのもひさしぶりだね～」
「…はんとし…ぶり…」
「ついたぞーーーう！！」
少し高い崖の真ん中で、ブンバが両手を勢いよく振りあげた。
「やっぱりきれいだねー」
「…うん…きれい……」
「…綺麗…！」
そこに待っていたのは、満天の星空。
真ん中に光る大きな満月。周りを彩る小さな星達。
この世界に、こんな綺麗なものがあるのか。
わたしは、しばし絶句した。
「ここはおれがさいしょにみつけたんだぜ！」
ブンバが偉そうにふんぞり返る。
「それから、よるたまにここにくるんだ。」
「…きょうはまんげつだから…いちばんきれい…」
「みんな…ありがとう…。」
わたし達はしばらくその崖から星を眺めていた。
「そういえばさ、レビンはなんでヒーリング覚えたの？」
わたしは、ふと気になったことを聞いてみた。
「…へ…？」
「いや、だって大変だったろうなって思って。」
「…」
「いやなら、答えなくてもいいよ。」
「…いやだから…」
…断られた？
「…みんなが…きずつくのが…いやだから……」
「うん。」
「だから…かな…」
「そうか…」
「でな、でな！それりぼーくもおぼえようとしたんだ！」
「リボークも？」
「そしたら『まながすくなすぎ』っていわれてあきらめたんだ！」
「あははっ！」
「ぶんばぁ……。だからいつでもぽーしょんもってるんだよー！」
リボークが立ち上がってブンバを追いかける。
「おこったー！」
「きゃー！わたしも逃げるー！」
「…ぼくもにげる～…」
その後、皆で月の下、追いかけっこになった。
すっかり疲れ、くたくたの体でわたしはダンバートンに戻った。
そうだ、日記だけは忘れずちゃんと書いとこう。
日記 ●月◇日 アルバンエイレル
今日、じゃぱにーずやくざに絡まれた。
そしたら、ブンバ達が助けてくれた。
そのとき、額を擦りむいたんだけど、
レビンがヒーリングをかけてくれた。
ゴブリンなのに覚えられるのがすごいなぁ…
いやいや、人だゴブリンだと区別してはダメだ。
とにかく、レビンは賢くていい子だ。
また明日、遊びに行こう。
今度はお土産を何か持って行ってあげよう。
明日、食品店に行ってみようと思う。
パンが良いだろうか。
心が温かくなるものを、なにか私もあげられたらいいな。
カフェチョコ
―――――――――――――――――――――――――――――――
２弾終わった（ ´Д｀）y-~~~ﾂｶﾚﾀｾﾞ
３弾にほんの少しでも期待してくれたらそれほど嬉しいことはない。
さて…寝るか…。
