マビノギ

來櫻

07/08/19 17:31

 
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私がまだ小学校中学年くらいの頃、田舎の祖母のもとへ一人で遊びに行ったことがあった。
 
 
電車を乗り継いで2,3時間の旅であったが、子供心にワクワクしていたのを今でも覚えている。
 
 
駅に到着すると、祖母が出迎えてくれた。優しい笑顔で私を抱きしめてくれた祖母。
あの時、何とも言葉に言い表せない安堵感が、そこにあった。
 
 
祖母の家に着く頃には、日も傾いており、空はオレンジ色に染まっていた。
 
 
家の裏を少し歩くと、そこは崖のような傾斜になっていて、そこからの眺めは私のお気に入りだった。
 
 
眼下には、雄大な森林が遥か向こうの山まで続いており、その山から顔を覗かせている夕日は、目に沁みるほどの光を放っていた。
 
 
私がその景色に見とれていると、祖母が私を優しく後ろから抱きとめ、家に入るように言った。
 
 
私は祖母に手を引かれながら、空を見上げた。
 
 
どこまでも続くオレンジの空。ひぐらしの鳴き声が辺りに響いている。
 
 
むせ返るような緑の匂いを胸いっぱいに吸い込み、祖母の手の暖かさを感じる。
 
 
今ではもう、その暖かさを感じることは出来ない。
 
 
あの夏の終わりの日の出来事も、うたかたの夢のように、消えていくのだろう。
 
 
だが、私は覚えている。あの景色、音、そして祖母の優しさに満ちた愛を。
 
 
祖母は私に多くを語ることは無かったが、祖母から教えられたことは、きっとこういうものの大切さではないだろうか。
 
 
私は今に生きる子供に、それを教えてゆきたい。
 
 
青臭い、と馬鹿にされるかもしれない。そんなものはくだらない、と見下されるかもしれない。
 
 
だが私は、こう思う。今の世界にこそ、こうした思い出が必要なのだと。
 
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いやあ、やっとこさ暑さも和らいできましたねー。
皆さんは、こういった晩夏の思い出ってありますか？
部屋にこもってネトゲ三昧もいいですが、こういった思い出を作るのも、大切ですよ。
 
 
最後まで読んでくださった方には、ホント感謝ですっ＞＜