短編小説とか書いてみました。 |
ECHO_cic | 06/10/08 18:15 |
短編小説とか書いてみました。
一応マビのパロ物ですが、あんまり関係ない気もw
しかも何か暗いw
内容もかなり適当ですw
暗い話が苦手な人は読まない方がいいかも。
では、本編をどうぞ。
タイトル【フクロウ便】
青い空の中を泳ぐ一羽のフクロウ便。
今日は空も青く天気もいい。
空を飛ぶにはもってこい……と言いたいが、少々風が強かった。
横から吹き付ける風によろめきながら歳を実感する。
もう先は長くない……。
分かっている。
分かっているから、まだ空を飛べる内にもっと沢山の手紙を届けたい。
受け取った人の喜ぶ顔を目に焼き付けておきたい。
たとえこの生が尽きても、忘れることの無いように。
「フクロウさんありがとー」
小さな男の子がこちらに向かって腕を振る。
その手には一枚の手紙。
内容は分からないが、よほど嬉しい内容だったのだろう。
そんなに強く握ったらクシャクシャになってしまうのに、それでも彼は私が見えなくなるまでずっと手を振っていた。
自然にこぼれた笑みと一緒に、なぜだか涙も頬を伝った。
嬉しいはずなのに、なぜだろう。
笑いながら泣いている自分が少し滑稽に思えて、笑いは苦笑に変わっていた。
そんなことがあった帰り道。
ある人から配達を頼まれた。
中身は小さなケーキだそうな。
また難易度の高いものを。
冒険者に配達を頼めばいいのに。。そう思ったが、届け先を聞いて納得した。
フィリア。
エルフの住む村だった。
ここからではかなりの距離がある。
そりゃ空のほうが断然早い。
だがしかし……。
この歳になってフィリアまでの飛行は厳しかった。
自分ではムリかもしれない。
しかし気づいた時、私はその包みを受け取っていた。
「ありがとう」と女性が手を振って見送ってくれる。
それがなんだか嬉しくもあり、また申し訳なかった。
もしムリだったら……。
私は死んでも死にきれない。
長い長い道のりをただ黙々と飛行する。
だが決して楽ではなかった。
風は相変わらず強く、また突発的な強風が老いた翼の羽をもぎ取って行く。
フクロウは本来、羽ばたく時に音は立てない。
しかし私の場合バサバサと音がする。
限界が近い。
それはその音を聞かずとも分かっていた。
だがもう少し。もう少しでコンヌース地域にさしかかる。
もって欲しい。
たとえこの生が尽きても、最後にこの荷物だけは届けたい。
最後の最後にこれだけは……。
霞んだ視界の中に小さな村の姿が映った。
着いたのか……。
ははは……。
小さな笑いがこぼれた。
翼の感覚はすでに無い。
自分が今羽ばたいているのか、いないのか……。
それすらも分からなかった。
でも後少し。
後少しで全てが終わる。
もう元の場所に帰る力もないか。
なに、フィリアでのんびり余命を過ごすさ。
霞がかった思考の端でそう考えていた。
そして次に突風が吹いた時、
私にはその後何が起きたのか分からなかった。
ただ……。
馬に乗ったエルフの姿が見えたような気がした。
そして声も聞いた気がする。
「ありがとう。おつかれさま」
と
エルフは優しく笑ってくれた。
だから私も最期に笑うことができたのかもしれない。
彼の手には少しだけひしゃげた包みが握られていた。
中身は無事だろうか……。
すると彼は小さく頷いてくれた。
そうか……。
無事でよかった。
一滴の涙が静かにこぼれた。
END
◆最後まで読んで頂、有難うございました◆
感想などありましたらお願いしますw
神野_cic | とりあえずハズレのアドバンス持ってきたフクロウさんに悪態つくのは控えます、はい。 あと黒猫と絵描きの青年の友情をアップテンポに、けれど悲しく詠ったBUMP OF CHICKEN『K』を思い出しました。お勧めなので機会あったら聞いてみてくださいな。 06/10/08 20:55 |
夜梨子_cic | うぅ><、リアルでないてしまった^^; また書いたらよろしくです~♪ 06/10/08 22:37 |
amber_cic | フクロウにもこんな苦労が・・・フクロウよ、感動をありがとう。 06/10/08 22:42 |
七色魔法使い | 初めて書き込みします七色魔法使いです僕も泣きました><かなりリアルでした;; 06/10/08 23:26 |
ECHO_cic | 皆さん感想ありですw 少し重い話なので心配だったのですが、たははw また次も書けたら乗せますのでよろしくお願いします。 06/10/08 23:36 |
中沢くん | これ、三人称俯瞰視点の童話的な書き方をしたら、宮沢賢治っぽくなっていいかも。 あまり長くなってもウザいだけなので、簡潔に思ったことを。 フクロウさんが宅配の仕事に充実感を抱くようになったきっかけ、ないしそれを誇りと思えるようになった 出来事をそれとなく示唆し、それを巧く最後に結び付けられれば、フクロウさんが生きてきた人生に深みを与え それがより多くの読む人に「大好きな仕事を生涯やりとげた充足感と、その裏腹に隠れた『終わり』に対しての悲しさ」 っちゅーお話の根幹(ですよね?)にあるせつなさを伝えられたかと思います。 と、結局ウザくなってしまった中沢さんでした。いぢょ。 06/10/09 01:28 |
ECHO_cic | いえいえ、客観的な感想は書き手にとって有難いです。 そうですね、短くするために前半部分を削りすぎたのが裏目に出た感じがします。元々ストーリーの構築なんかも無視して好き勝手に書いた物なのでw また次回作ができたらよろしくお願いします。 06/10/09 17:40 |
ruria_cic | うぅ、紹介されて読んでみたら本当に泣けた~; ; どうしよう、これほかのとこで紹介したい。 。; 07/01/18 23:11 |
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