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すぺしねふ |
06/10/04 12:59 |
タルラークさんから、ダンバートンの書店に行って本を手に入れるように言われた私は、早速アイラさんに会いにいくことにした。
「アイラさん、実は…」
すぐ本題に移ろうとした私に、アイラさんは、いきなり、
「すぺしねふさん! 実はお願いがあるんです! 私のかわりに、お弁当の材料を持ってきてください!お願いしますお願いします!」
そう言うなり、私にいきなりメモを押しつけてきた。
…まあ、いいけど。手に入れたい本のことは、後回しでいいか。私は、アイラさんに渡されたメモに書かれている、お弁当の材料を集めにかかった。
「アイラさん、ご注文の材料、集めてきましたよ」
「わぁ、ありがとうございます!」
この材料を集めるために、ずいぶん手間がかかったのは、あえて黙っておいた。まあ、困っている人を助けたくなるのは性分だから、仕方あるまい。
「それは良かった、それでは…」本を注文しようと思った矢先。
「それで、すぺしねふさん、もう一つお願いがあるんですが、聞いてもらえますか?」
「…まあ、いいですよ。どうせ、乗りかかった船だし。」
私もお人好しだなあと思いつつ、彼女の作った弁当を配達することにした。
「ただいま戻りました…」
目と鼻の先に弁当を届けるだけのつもりが、何が悲しくてダンバートンを南北に走り回る事になるんだ…ぶつぶつ文句を言いながら、アイラさんの元へ。
まあ、アイラさんも喜んでくれたんだから、ま、いっか。そう思いながら、書店を後に…って、ちょっと待てよ。私は本を注文しに来たんじゃないか。このまま帰るわけにもいかん。
「あ、アイラさん、実はですね…」
「すぺしねふさん! もう一度弁当の材料を調達して下さい!」
そう言うや否や、アイラさんは、再び私にお弁当の材料が書かれたメモを押しつけてきた!
まあ、いいけど…。
とりあえず、私は、再びお弁当の材料を集めることにした。
材料を集めてはアイラさんに渡し、再び弁当の配達を頼まれ、ダンバートンを南北に疾走。色々とハプニングもありながら、なんとか依頼をすべて片付けることが出来た。
あう…本当に疲れた、って、私は本を注文しに来ただけなのに、なんでこんな事をやってるんだ?
「さて、アイラさん、本を…」
「すぺしねふさん! もう一度お願いします!」
そう言って、彼女はまたもやメモを押しつけてきた!
私は、何故、こんなことをやっているんだろうかと思いつつ、三度クエストをこなし、そしてまたもやアイラさんからメモを押しつけられ、材料を集めて、さらにお弁当を配達し…こんなことを5回も繰り返した。
「ア…アイラさん…終わりましたよ…」
「ありがとうございます!」
「それで…よう用事はないんですね?」
「はい、もう大丈夫です!」
や…やっと終わったか…。これでようやく本を注文できる…。私は、欲しい本の名前をアイラさんに伝えた。
「ごめんなさい! その本、昨日返品しちゃいました~!」
この瞬間、一気に疲れがどっと出たのは言うまでもない。
後日談
クリステルさんに、アイラさんのお弁当の事を聞いたとき、私は、アイラさんのお弁当を相手に届けずにそのままダンジョンに持っていてゴーレムに喰わせてやろうかと本気で思ったぞ。