マビノギ

坂下祥子

06/10/03 13:25

お終いね私達　これでお終いね　嗚呼悲惨ね……
 
――StarDust――
 
私は物言わぬ　可愛いだけの《修理屋》（ドール）じゃないわ
――愛しい貴方解って？――
 
ちっぽけな耐久値（もの）　直す為の道具じゃないわ
――月夜の《別行動》（アナザー）は勝手？――
 
髭に頼めば　壊すに決まってるじゃない
――月（イウェカ）が貴方を狂わせたの？――
 
だってしょうがないじゃない　壊してしまったんだもの
――月（ラディカ）が私を狂わせたのは何故？――
 
真っ茶な衣装（ドレス）　真っ茶な靴（シューズ）　
真っ黄な外套（ローブ）　真っ黒な犬（ラブ）
すれ違う男達　誰もが追いかける…
左手には(ラブの)首輪を　右手には餌入れを　気が向いた散策は　もう止まらない…
 
お終いね私達　これでお終いね　嗚呼悲惨ね…
貴方の白い具足（シューズ）も　今は虚しげな中古（ユーズド）
お終いね私達　これでお終いね　嗚呼悲惨ね……
 
「センマイでも構わないわ。修理に来てくれるなら。
　輝いてる？ねえ…私輝いてる？」
 
「綺麗な指輪(プレゼント用)ね」…それは艶やかな少女のため息
「君の方が綺麗だよ」…それは甘い男の囁き
少女を追いかけるプレイヤー達　ありふれた風景
繰り返される追跡劇　ほんの些細なこと
 
そんな気紛れな修理率を　永遠だと信じたりして
そんな不確かな装備(もの)を　運命だと信じたりして
与えたり　買ったり　追いかけたり　見失ったりして
その束の間　遥か過去の装備に想いを馳せたりして
 
あの装備はもう滅んでしまっているのだろうか？
それとも今もまだ滅びに向かって削られ続けているのだろうか？
偶然という名の途方もない修理失敗の前では
防具の耐久など刹那の幻に過ぎないのかも知れない…
 
――そんな些細なこと　されど偶然とはいえ
嗚呼…偶然とはいえ彼女は削(や)ってしまった
(ブレスレットと)お揃いの灰色い具足を着けて幸せそうに歩く
彼のとっておきの具足の耐久を……
 
お終いね私達　これでお終いね　嗚呼悲惨ね…
貴方の白い具足も　今は――
 
「何故…？何故なの……？何故なのよおぉ…！」
 
彼女に触れた装備は　やがてゼロに近づき示す
装備はもう永遠（とわ）に　新品になれないという事実を…
 
凍てついた銀瑠璃の星々　燃え上がる滅びの煌きよ
失くした耐久の夢を見る　私を導け《鍛冶の高み》（the Rank of Blacksmith）
 
――中古品を過去の装備として焼却出来ない限り
有用なエンチャは装備にくっつき続けるだろう
装備の耐久は悲しい程に少なく　実用には届かない
嗚呼…その手を握り返したのは『髭の男』だった――

 
フレッタさんがお気に入りのファヴィアングリーブをアッサリ２連続で削ってくれちゃった・・・
アイデルンに続いて貴女まで何をやってるんですか・・・
 
それにしても・・・元の歌が少々マニア向けすぎたかもしれないな。
SoundHorizon好きはウチのギルドに来なさい。以上！