マビノギ

すぺしねふ

06/09/27 15:40

　アイビ渓谷を走りぬけようとしていたとき。
　開けられずに放置されている宝箱と、その宝箱を守っているであろうアーチャースレート１体が目の前に飛び込んできた。
　おかしいなあ。確かにＬロッドは持っているけれど、これ、私が発見した宝箱じゃない。誰かが、発見したのはいいが、アーチャースレートの出現に驚いて逃げたのだろうか。
　あたりをきょろきょろ見渡すと・・・遠くのほうに、アーチャースレートと、そして、そのアーチャースレートに弓で対抗している見知らぬ冒険者の姿が！
　なるほど、この宝箱を発見したのは、あの冒険者なんだ。それじゃあ、私は素通りするのが良さそうだな・・・と、思ったとき、私に、あの悪夢が脳裏によみがえってきた。
　宝箱と共に出現した2体のアーチャースレート。その２体のアーチャースレートが同時にアクティブ化し、私をぼこぼこにした、あの日のことが！
　そう、あの日から、私は、宝箱と共にアーチャースレートが出現すると、すぐさま逃げていたのだ。
　日ごろのあの恨み、ここで晴らしてやる！
　そのとき、私は、ファイタースレートを、時間をかけてではあるが、何とか倒すことができるようになるまでの実力はつけていた。アーチャースレートは、ファイタースレートとほぼ同じくらいの強さであるはず。ということは、今の私に倒せない敵ではないはずだ。
　幸いにも、近くには、そのアーチャースレートが１体のみ。これはチャンスだ！　向こうで戦っている冒険者の宝箱を横取りするつもりはないが、しかし戦闘の支援ということで、このアーチャースレートを倒させてもらうのは、反則ではないはず！
「助太刀しますぜ！」
　そう宣言すると、私は、アーチャースレートに飛び掛った！
 
　その一瞬の後・・・
　アーチャースレートに一撃の元に倒されたまだ若い冒険者が、渓谷で倒れていたのは言うまでもない。
　そして、その冒険者は、その後、アーチャースレート恐怖症に陥り、Ｌロッドすら持たなくなっているという・・・
 
　なお、私が倒そうとしたアーチャースレートは、実際に宝箱を発見した冒険者が、弓で簡単に倒していたりする。
 
 
 
 
Ｐ．Ｓ
この話、ずいぶん以前の出来事です。