|
すぺしねふ |
06/08/26 13:33 |
Pi、Pi、Pi、Pi!
「Bingo!」
Lロッドの魔力を解き放つと、近くから宝箱が出現した。
「さ~て、何が入ってるかな~?
「いよぅ、すぺしねふ! 調子はどうだ?」
ケルラベースキャンプに戻ってすぐ、私に声をかけてきたのは、武器屋のニッカさん。
「ちょうどよかった。これを見て貰えないかなあ?」
私は、先ほど見つけたものをニッカさんに差し出した。
「ふ~む。普通のブロードソード…ってわけじゃなさそうだなあ。」
彼は、じっくりと品定めを始めた。
「普通のブロードソードと比べると、少しバランスが悪い。でもよ、その分、威力が高くなってるぜ。それに、耐久力に優れてる、つまり、普通のブロードソードに比べて、長持ちするってわけだ。これはなかなかの逸品だと思うぜ」
最近、変なエンチャントスクロールしか拾っていなかった私には、朗報だった。
「でもよ、これ、完全に故障しているから、そのままじゃあ使いものにならないぜ。何なら俺が修理してやろうか? なぁに、どこかの田舎村の鍛冶屋よりも腕は確かだぜ。」
ん~、確かに、ファーガスさんのところじゃあ、今までさんざんひどい目にあってきたからなあ。その分修理代は安いんだけど。
「で、修理代、いくら?」
「ざっと、6500Goldってところだな。」
「高っ! それなら新品のブロードソードが買えるじゃないか!」
「何言ってやがる、技術料だよ、技術料! それに、その代金で、特殊なブロードソードが手に入るんだ。安いもんだろうが。」
う~ん、そんなもんかな。なんか口車に乗せられているような気がするけれど…。ともあれ、私は彼に、修理をお願いした。
そして、しばらくの時間が過ぎ…
「いやぁ、悪い悪い!ちょっぴり失敗しちまってよ、ほんの少し、耐久力が減っちまった!」
むかっ! どこかの田舎村の鍛冶屋より腕が立つって言ったのは誰よ?
「それでも、普通のブロードソードよりも性能はいいんだし、もともとタダで手に入れたもんだろ? その分修理代はサービスするからよ、勘弁してくれよ~」
その彼の軽い態度に、私は、修理が終わったブロードソードを使う気が一気に失せてしまった。
後日…
ダンバートンの一角に、個人商店が開かれた。
褐色きつねのあれくしーど君が店番をしているその個人商店の、数多く並べられた商品の中に、ほんの少し傷物になってしまった特殊なブロードソードが陳列されていたことは言うまでもない。