マビノギ

通りすがり_cic

06/07/01 20:59

　　　　　　　　１
 
　その日は、いつも通りの日だった、適当に勉強して
適当に友達と馬鹿やって、家に帰ってきた。

　Sprt「勝也の奴、今日は随分機嫌がよさそうだったな。
明日にでも何があったか聞いてみるか・・。」
　
　そんな、いつも通り、学校であった事を思い返しながらパソコンを立ち上げたが
ウィンドウズの立ち上がりに待ちきれず、ついマウスをカチカチ鳴らしてしまった。
　デスクトップ画面が出るなり、すぐさま。今嵌っているマビノギを立ち上げた。
　今日はRisaとイリア大陸で遊ぶ約束をしている。
　Risaは一年前ほどにマビノギのダンバートンでナンパした女性だ。
　ネットで女性と決め付けるのは、聊か痛い人間のようであるけど、
実際リアルであった事があるので、完璧に証明済みだ。
 
 
　　　　　　　　２
　Sprt「しかし、遅いな。」　
　マビノギにログインをしてから既に数時間がたち、現在朝の二時。
　昼からの学校なので夜まで起きてても大丈夫ではあるのだが・・・。
　特に何もする事が無いのでキアにもぐってる最中、ちょうどゴブリンを倒し終わった時だ。
　右下の画面からいつもの如く、ぴろ～ん　などという間の抜けた効果音と共にチャットウィンドウが浮かび上がった。
 
　Sprt「お、きたきた。」
　Risaが来た事に安堵を覚えた俺は、気軽に話しかけた。
　しかし、Risaは何のまえぶれもなく、語りだした。
 
　Risa「さっきさ、みちゃったんだ。」
　
　Sprt「はぁ、何を？」
 
  Risa「残業でさ、終電ぎりぎりで電車に乗ったの。
　この時間帯でも結構人が居るはずなんだけど、
何故かこの日は誰もいなくてね」
 
  Sprt「ああ、ホラーでよくあるパターンだな」
 
  Risa「うん、そうなのよ、私もまさかなとか思いながら、
電車の椅子に深く腰をかけて、まぶたを閉じてしまったのね」
 
  Sprt「なんだ、起きたら新潟とか、とんでもないところへ行ってしまった落ちか？」
 
  Risa「ううん、違うの。一度新潟まで旅に出てしまった事はあるけど。
今回は違うの・・・。」
 
  Sprt「何が・・・。」
 
  Risa「夢の中でね、自分の死体を見てしまったの。」
 
  Sprt「おお、やっと本題っぽくなってきたな」
 
  Rips「よく分からないんだけどね、私の乗ってた電車はどうやらスピードの出しすぎが原因で脱線して、そのまま民家に乗り込んでしまったらしいの。
民家はね、どうやら丁度どこかに泊まりに行ってたみたいで。
誰もいなかったみたいなの。
 
 
  Sprt「なるほどね、ツー事は、自分だけ死んじゃったわけか」
 
  Risa「うん・・・・・。」
 
  Sprt「でもよかったじゃないか、夢で。」
 
  Risa「うん・・・、でもね・・・」
 
 
 
 
 
 
　本当に夢だったのかな。