マビノギ

モルーエ

05/10/03 19:56

エリンの世界に降り立った。
 
いつも広場の茂みからわたしは現れる。
 
周りにはいつも同じ場所にいるようないつも見かける人がいて
その間を縫うようにこの世界にやってきて間もないのだろう
人たちが走り回ったり、あたりのものを叩いていたり。
 
「今日は何をしようかな」
そう思いながら日々届く贈り物を受け取り、動き出せば
とりあえず足が向くのは大概、南の草原なのだ。
 
これはもうわたしの日課のようなもの。
 
広場から旅館へ降りる坂道を途中で曲がり、橋を渡って
羊や犬がのんびりとしている。
そこにも大概人がいて、羊の毛を刈っているようだ。
 
平和だ。
 
いや、紡織の観点でみればあれも十分に戦いだ。
地道な努力がすばらしい服を生み出してゆく技術になるのだろう。
 
ココロの中で応援してみる。
 
ムーンゲートを越える頃には灰色オオカミが現れだす。
以前、アタックランクがB評価だった頃はここで40レベルまで
上げたものだけど、今もう20レベル少しで灰色オオカミの名前は
見えなくなる。
 
寂しいな、そう思うや目の前をオオカミと戦っている人たちが
通り過ぎてゆく。
 
みればたいそうな怪我をしている人もいる。
余裕のある戦いぶりの人でウインドミルの修行と思われる
怪我の人もいるし、どこかのダンジョンで負った怪我をそのままで
ここで過ごしているのであろう人もいる。
 
当然、この世界にやってきて間もない必死の人もいる。
 
ここはそういう場所だ。
 
単純に灰狼や白狼の強さだけじゃなくて、村への近さとか
色んな要素もあってここではいろんな人が戦っている。
 
ヒーリングを唱えて必死に戦っている人を治してみる。
 
この人は初めて見るな
この人は久しぶりだなぁ、なんだかすっかり先輩になっちゃって
後輩指導しているのかな？
 
ふと、話した機会はあまりないけれど、灰狼パーティーの
リーダーなどをやっていた頃によくメンバーになっていた人の
ことを思い出す。
 
あの人見かけなくなったな、どこに行ったのだろう。
 
フレンドリストを見てみてもこの草原でであって登録した人の
半分以上は赤いまま。
 
リストの登録はしていなくてもいつも会えば挨拶をする人も
 
似たスタイルの人を見かけると特に思い出す。
 
特別な感情があったわけじゃないけれど。
 
そうこうしている内に白狼を倒していると声をかけられたりする。
 
「PTやってないんですか？」
 
うれしくなる。
長居するつもりはなくても、この一言でわたしのこの世界での
生きる動機は十分だ。
 
ちょっとまってて、クエ買って来るから。
 
放牧地まで走りながら、行き交う人々を横目で見て
あなたは初めましてかな、ああ、あなたは今日も元気だね
話しは直接しなくても、わたしは見ている。
わたしも多分見られているんだろう。
 
特に何を意識しているわけじゃない、軽い目線だけれど。
 
そんな風に世界はつながっている。
そう思う。