ちょっと早い夏のホラーチックショートストーリー |
もけっきょ_tar | 12/07/04 19:21 |
七月に入りますます気温が高くなってきている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回なんだか気持ち悪い文章を思いついたので、ここに遺して逝きます。
何もない真っ白な空間を、一人の男が歩いていました。
どうして歩いているのか、今まで何をしていたのか、男には思い出せません。
言葉は話せます、文字も読めます、でも男には自分のことが分かりませんでした。
しばらく歩いていると、一人の人間が見えました。
話をすると、彼も自分のことが分からないようでした。
座って休憩しようとしたとき、地面に何かが書かれていました。
「ここでは二人でいてはならない」
男は出会った人間を置いて、そこを去りました。
彼はそこから去る様子を見せませんでした。
しばらく歩いていると、一人の人間が見えました。
無言で立っていて、まるで誰かを待っているように見えます。
ふと横を見ると、すぐ側の看板に何かが書かれていました。
「ここでは一人でいなければならない」
男は理由を聞くこともせず、そこを去りました。
彼はただそこで待っているようでした。
しばらく歩いていると、一人の人間が見えました。
背中を向けていて、こちらからは顔が見えません。
話しかけようと近づくと、その背中に何かが書かれていました。
「ここでは一人が死ななければならない」
男は怖くなり、急いでそこを去りました。
彼は背中を向けたままでした。
しばらく歩いていると、一人の人間が見えました。
仰向けに寝ていて、起きる様子はありません。
近づいてみると、彼の側に赤い文字で何かが書かれていました。
「ここでは一人しか生きてはならない」
男は話しかけることをやめ、そこを去りました。
彼は仰向けに寝たままでした。
しばらく歩いていると……。
この後どうなるのか、私個人の感覚ですが、怖がっていただけたなら幸いです。
少しでも涼しい夜を、あなたに……。
もけっきょ_tar | コメントありがとうございます。 その見方は私としてはレベル1ですねえ、一番基本的なところです。 これは確かにそこで男がどうするかをテーマにしているんですが、あくまで「ホラーチック」なんです。 ほら、四人目の赤い文字とは、一体なんでしょうか……。 ほら、三人目はどうして背中を向けたままなんでしょうか……。 12/07/05 00:49 |
ラウフェイ | あ、これなぞなぞなんですか? 12/07/05 06:39 |
もけっきょ_tar | なぞなぞというよりは、そこで男が何をしたかを想像して怖がってもらうという趣旨の文でした。 最終的にはある一つの結論に至るのですが、それを見破っていただけると嬉しい限りです。 12/07/05 07:35 |
ラウフェイ | よくよく見ると、中野さんのコメントでレベル1ということだそうでティンときました。 察するに「人生とは孤独である」ということでしょうか。 どこでも一人では生きていなくてはならないという点から考えました。 しかし、それだと背中に書いてある理由や、赤い文字の理由がわかりません。 で、思ったのが最初は話せる。次はぼーっと待っている。背中を向けている。寝ているという順番です。最初は覇気があり、だんだんと生気をなくし、最後は寝ている・・・つまり一人の人生ではないでしょうかという結論。赤い文字は血を連想しますから死を暗示している。背中は人生を語る。ということでどうでしょう。 なんか雪ねぇの部屋のクイズ回を思い出しました>< 正解まってまーす 12/07/05 10:38 |
ラウフェイ | で、さらに 「男がなにをしたか」っていう点で常に一人でしかいられない・・・ということは皆殺/しにした説もありますねぇ。 12/07/05 10:42 |
もけっきょ_tar | 仕事帰りで遅くなってすみません。 これは、実はひねくれればひねくれるほど様々な状況が生み出される文章になってるんです。 私が設定したレベルとは、いかにひねくれてこの文章を解釈するかによるものです。 例えば、そう、「人生とは孤独である」は実はかなりレベルの高い解釈の方です。 でもそれを実現するにはある一つの事象が足りません。 というわけで一番ひねくれていると思われる解釈を下に載せておきますね。 ちなみに、この文章に正解はありません、あくまで皆さんの想像により成り立ちますので、ラウフェイさんの考えた状況も一つの解釈となります。 12/07/05 18:06 |
ゲイドジール | そこを通った者は「男」が最初ではないのでは、 あるいは三人目を殺したのは四人目の人なのでは? 12/07/05 16:12 |
もけっきょ_tar | 四人目が死んでいて、三人目も死んでいる。 ひねくれ度合いとしてはレベル2ですね。 最初に通ったのが「男」ではない可能性は確かにあります。 そう、三人目と四人目がすでに死んでいたという解釈になりますよね。 いい感じですねー、では私なりのこの文章の解釈をお楽しみください。 12/07/05 18:10 |
トリヤ_rua | 男がどうした、その後どうなった以上に、設定を作り続けている別の者がいるのが何より怖かったです。 男も無空間の中の一人の人間であることや、誘導させやすい状況、整備された環境。 何をさせようとしてるのかが気になります; 12/07/05 18:16 |
もけっきょ_tar | なるほど、さらなる第三者の存在があったと、それもあり得ますね。 でも例えば、そこにある文字が「男」にしか見えないものだったとしたら、どうします? 男の無意識が、もし孤独を望んでいたとしたら、そこに文字が勝手に浮かび上がったとしても、不思議ではないんですよねえ。 ほら、幻覚ってリアルなものもあるじゃないですか。 すべては想像、想像なんです……。 12/07/05 18:33 |
もけっきょ_tar | それではあくまで私が想像できるこの文章の解釈をお伝えします。 この文章の裏のテーマは、「男はいつ孤独になったか」です。 まず、真っ白な空間と書いてありますが、それが地球のように広いのか、それとも学校の運動場くらいの広さしかないのか、そこで見解が分かれます。 つまり、男が出会った「一人の人間」が、すべて同一人物であるとも考えられるんです。 最初からこの空間には二人しかおらず、出会っては別れを繰り返していただけなんです。 文字の書かれている場所を一つずつ別にしたのも、それまでは見えず、見ようともせず、ある時まで存在しなかったということを表現したかったんですね。 では、男がもし仮に「彼」を殺したとして、いつ彼を死に至らしめたのか。 もうおわかりですね、どの段階でも彼を殺すことができ、また彼を生かすことができます。 二番目がちょっと無茶なんじゃないかと思えますが、立ったまま死んだ人だってもちろんいることだし、まあ不可能ではありません。 また、立ったまま死んだのに地面に赤い文字、これも書こうと思えば書くことができます、その意図まではくみ取ることはできませんが。 最後に仰向けに倒れれば完成です。 そこに書かれていた文字を「男」がどう解釈し、それを実行に移したかが問題です。 平和的に考えるならば、 一番目はただ自分がその場を去った、 二番目は一人でいることを選んだ、 三番目は殺されると思い逃げた、 四番目は「彼」に生きてほしいためにその場を離れた、と論理づけられます。 逆に考えるならば、 一番目は二人でいてはならないから殺した、 二番目は一人でいなければならないから理由も聞かずに殺した、 三番目は一人が死ななければならないから殺し、怖くなって逃げた、 四番目は一人しか生きてはいけないから寝ている彼を殺した、このようになるわけです。 こうやって考えていくと実に気持ちの悪い状況が出てきますね、そういうゆがんだ気持ち悪さのようなものを皆さんに感じてほしかったんです。 もちろん、これは私個人の「結構無茶な」解釈ですので、それはないだろっていうツッコミも覚悟してますw。 では、またひねくれた文章を思いついたらお付き合い願います。 少しは涼しい夜に、なれましたか? 12/07/05 18:28 |
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察するに、「人生の岐路と自身の葛藤」といったところでしょうか…(←飛躍しすぎかw)
いや、こんな夢をよく見るもので気になってつい書き込んでしまいました^^; その人物が振り返る直前に、いつも目が覚めてしまうんですよね…(最後のくだりは仰向けなのに顔が見えないという…)怖いですよね… 12/07/05 00:07