険地もいとわずウルラとイリアの至るところを歩き回りながら
考古学を研究している考古学者。
彼女は王城も引き抜こうとしたほど
考古学の分野においては名を馳せていたそうです。
偶然、研究のためにベルファストの近くに来ていた彼女に
オーウェン提督は緊急の要請を出しました。
一連の事件から感じられる不吉な予感…。
彼女は躊躇うことなくオーウェン提督からの要請を受け入れました。
真っ白の髪、暗い目元、下がった口角。
何も映っていないような瞳。
表情の欠片もない、感情が欠如しているように見える男。
見た目通り、男にわずかな亀裂を起こして
表情を作り出せるものは何もありません。
たまにその蝋人形のような顔に人間味が現れる瞬間は…
内側から沸き返る絶望が
抗えない狂気と化して表出される時だけなのです。
妖精とポウォールの混血。
可愛い見た目とは裏腹に強力な力を持っていて
その力にふさわしい凶暴さも備えています。
この小さな猫を幸せな気持ちにさせる方法は
甘いものを食べさせることだけ。
イルシャがクロムバスに君臨するようになった理由の一つは
美味しいキャンディをたくさん食べるためです。
オーガ鍛冶師がクロムバスに連れ去られた理由は
その腕前によるものでした。
彼は旅人を何人も斬ることができる
品質の良い武器を作れるからです。
鍛冶師はクロムバスで多くのものを作りました。
刀、盾、鉤、鎖、手錠…
しかし、狂ってしまったオーガが最後に
何を作ったのかは誰も知りませんでした。
明らかになったのは、今は彼が全てのものを
製錬の対象として思っているということだけ。
魔族少女は小さな尻尾があり
ニャーと鳴くものを愛しました。
つまり、彼女は「猫」を愛しました。
メルシー・ディアプルが小さな猫を追って
クロムバスまで来たのは当然のことだったでしょう。
彼女にとって小さくて可愛くて優しい妖精猫は
とても魅力的な生物ですから。
たとえ、それが凶暴で恐ろしい本性を持ち
自分には一切興味を示さないとしても…
あぁ、愛しい存在よ!
追従者にとって偉大なあの方は神であり真理であり
たった一つの愛でもありました。
その健気な気持ちが届いたのでしょうか。
追従者はついに偉大なあの方を歓迎し、
あの邪悪で光栄なる足元に跪いて永遠の愛を誓いました。
あぁ…私の人生、私の道しるべ、私の目的、私の理由、私の世界よ!
私は最も美しく、最も邪悪で、最も不吉な新婦になり
悪夢のような幸せの中で生きていく。
勇猛なジャイアントは繰り返されるおぞましい拷問と懐柔に
耐えきれず負けてしまいました。
彼があれほど長い時間を耐えられたのは
雪原の戦士たちが持つ強靭な魂のおかげでしたが…
あまりにも長く抵抗しすぎたからでしょうか。
体を束縛していた鎖は切り刻まれた肉体と一つになってしまい、
裏切者は拘束から今もなお逃れられないという現実に
向き合わさざるを得ませんでした。
ある目は明るい日差しの下では無用の長物ですが、
漆黒のような闇の中ではその能力が発揮されることもあります。
そんな目を持つ者にとって深くて暗い、クロムバスは最高の場所です。
インスガドクの目は城の至るところの闇を押しのけます。
彼はその目で他の者が見ることができないもの、見逃したもの、
隠れているものを見つけることができます。
この怪物にとって侵入者を発見することは
実に簡単なことでしょう。
スライムは本能に従って動く生物です。
ある者はスライムは本能と呼べる
知性すら持っていない存在だと言います。
そのため、知性を持ち、
気持ちと意思を自由に表現するスライムが
特別な存在であることは言うまでもありません。
追従者たちは知性を持っているスライムを見て
偉大なあの方が与えた奇跡の証拠だと言っています。
もしかしたらこの小さなスライムは
ある者たちにとっては信仰の対象かもしれません。