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通りすがり_cic |
06/02/03 22:57 |
前書き
取りあえず読んでない奴は
http://www.mabinogi.jp/5th/3_free.asp?bbs_mode=view&depth=0&p_thread=23554999&num=23555&bc=10&list_mode=all&key=title&word=%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC&page=1
からどうぞ。
==真っ白==
行きなり視界が真っ白になる。今まで俺は全力疾走をしていたのに一体何が起こったというのだ、
・・・まぁどんな言い訳をしても転んだことには変わりはないが。
右手を支えに何とか起きあがる。
右手が雪の中に没落したりして、非情に冷たい事以外。雪がクッションになってくれたので
別に怪我はしなかった、顔は凍傷を追っているかもしれないが・・・。
何かの罠かとも危惧したが、どうやら罠の類ではなく、動物の死骸に躓いてしまったらしい。
雪が強くなってきたのか、躓くまではそこに死骸があることすら気が付かなかった。
「俺としたことが、冒険者失格だな、おい」
しかし自然と同化とはインビジブルもいいところだな。
まぁ俺もちょっと前は自然と同化していたわけだが。
死骸のお腹と思われる部分にハンマーの腹の部分を置き。
頭の方へ向かって、一気にスライドさせる。
まぁ雪を振り払ったわけだ。
「こいつはゴルゴンか」
ゴルゴン、一つ眼の牛。どっかの神話みたいに石化にする能力はないが。
闘牛顔負けの突撃を披露してくれる素敵な動物、まぁ魔符によってモンスター化してるわけだ。
「すげぇ、眼の所を的確にぶっさしてやがる、穴の大きさから見て、
２HSか？クレイモアか、そんなところだな、多分心臓まで完全に串刺し。
=1=
動いた
立った
道を遮った。
俺の目の前に前を畏怖堂々と立ち上がった。
マフで強化されてるといっても、所詮は生き物、血を流しすぎている。
何より一つしかないつぶらな瞳は潰れている。
赤い髪の勇者のスマッシュが完膚なきまでに、魂すら貫いてる。
そして俺の存在を知ることは出来ない、
いや、”音”か、音で俺に気が付いたか。
「ウォオオオンンッッ！！！」
吠えた、俺はまだ戦えると、吠えた。
俺はそれに答える
「分かったから、死ね」
こういう奴は何度か見てきた、違うな、俺の周りはこういう奴らばかりだ。
根性ばかり座ってて、何も変えられない、何も出来ない。
そう言う奴らばかりだ。
そして俺はまたそう言う奴らの邪魔をする。
「一撃で殺してやるよ。」
こんな手負いに戦術は必要ない。
左手に持ったカイトシールドをゴルゴンを拒絶するように持つ。
絶対ガード、どんな奴の攻撃だろうが防ぐ。
そして、俺のガードは防御じゃない、攻撃だ。
奴は突撃してきた、俺の場所は音で把握していたのだろう。
俺は受け止めた、手負いだというのに力は衰えてはいない、
左手の力だけではささえ切れず、受け流すことも出来たが、そんなことする必要すらないし、
そんなことをするような相手でもない。
左手で駄目なら右手も使い、両手でも支えきれないならら頭、そして体全てを使って奴の突進を押さえた
それでも押される、しかし押されるだけだ。後ろにある木を使って突撃を完全に止め
ようとした刹那。
ゴルゴンは止まった。
体を揺らして、そのまま雪の中にとけ込んだ。ようやく自然に帰れたのだろう。
俺は命の重さに違いは無いと思う、人だろうがモンスターだろうが、俺は同じ事を言う。
「お疲れ様」
「最後にふさわしい突撃だった。」
正直、”一撃で殺してやる”とかかっこつけた割には、俺は何も出来なかったな。
「まぁ、なんだ。ほんとどうでもいいが。今度は左手が再起不能か」
ほんと怪我の絶えない。
右手を左に添えて、つぶやく
「ヒール」
少しずつだが左手が動くようになる、同時にとてつもない疲れ、めまいを感じる。
回復魔法とは因果の逆転。俺はこの左手を此処で治すことは出来ないのに
今まさに直している、
まさに”直”している。
「うひひひ、やっぱり自分で自分を回復はきついな・・・。
大事な物が消滅していくようだ。」
しかし、あんな魂すら砕かれていても立ち上がるゴルゴンが居たってことは
それをやった奴もこの近くにいるのだろう。
っていうかいい加減に合わせて貰えないだろうか。
一歩だ、一歩踏み出した、。
ブニュ
「ああ、とても嫌な感触、まるで今まさに死んだばかりの死体を踏んだような」
赤毛・・・、ああ。赤毛。
