マビノギ

エルガンディ_rua

09/07/21 04:58

悲しい真相（non！fiction！）

Oui！monsieur et mademoiselle,

それでは、始めましょうか。


あるプレイヤーがマビにてアカウントハックを喰らった。
彼は絶望と共にまた別のMMORPGに移住した。
しかし彼はそこのプレ板でアカウントハックに関するスレを見つけ、
ふとした興味本位からアカハックについて調べ始めた。
そして、以前そのMMOで流行っていたというアカハックの原因を突き止めた。

それからまた数ヶ月ほど経ち、彼は新鮮な風を求めエリンの地に戻ってきた。
以前と違ったのは、彼はゲーム内のゴールドが現実の金になることを知っていた。

彼はマビノギをゲームとして楽しむ反面、毎夜金持ちそうなキャラをErigleで検索しては、IDを調べ、最終ログイン日時を確認した上で、近場の無防備な無線LANを使い完全武装＆別PC別アカでINし、身包みを剥がしては、朝になるとそれを様々な業者に売りつけ、自分のファンタジーライフクラブの費用にしていた。

彼は最新の注意を払っていた。各鯖を満遍なく調べ、日夜キャラを吟味していた。その結果、最初の報告から各鯖での悲鳴がエリン中を駆け巡るまでにはまぁまぁ満足のいく金額が手に入った。

しかし段々とアカハックの報告が増える一方で、また別のプレイヤーが、新たなアカハックの方法を手に入れる。しかし今度は状況が些か違っていた。

彼は、最初の男が起こしたアカハックの被害者だった。
彼は、絶望のどん底で希望を掴んだような気持ちだったのだろうか。彼は自らの基準で疑わしいと思ったキャラ、特に自分の鯖の晒しスレで悪評高いキャラを次々にハックした。

彼が探していたのは、自分の装備の痕跡だったのかもしれない。


その後はもう、お分かりでしょう。

消しても消してもどこからともなく湧き出て散らばったままのソフトと取り扱い説明書群はネットの海から消えることはなく、阿鼻叫喚の最中、キャラを消された憂さ晴らしか、はたまた他人の不幸は蜜の味なのか、単なるストレス発散なのか。

しかしこの事態に目をつけたのは彼等だけではなかった。
当然業者は金の匂いを嗅ぎつけやってくる。

そしてたちまちエリンは新米ハッカー達の餌場と化す。


彼等の専らの関心事は、近々来るらしいHack Shieldの性能と実装日時だが……

どこのMMOでも同じように、所詮、外国産は国産に遠く及ばない。
そう高を括っているのかもしれない。




以上、長ったらしい前説を読んだ君には、お疲れ様。
飛ばし読みで辿り着いた君には「おめでとう」という言葉を送ろう。




「それじゃあ僕は、また次の世界で新しいゲームを楽しむとするよ」

　　　　　　　　　　さようなら、ごきげんよう。